『伊達カルパス』

ふと家の中から外を見たときに夜空にまぁるいお月様が浮かんでいれば、窓のロックに自然と手が伸びるように。
車内から眺める、流れる景色の中に流してしまうのは勿体ないほどの綺麗な花を見つけたときに、パワーウインドウに自然と手が伸びるように。
ずらりと並ぶ宝石の中にひときわ自分にとって輝いて見えるものを見つけたときに、ショーウインドウを開けようと自然と店員を呼ぶ手が伸びるように。
私たちは美しいものを見つけたとき、それをガラス越しで見るのではなく、肉眼で見ようとします。
それはもちろん直接見た方がより鮮明に、より綿密に、より爽爽に美を享受することができるからです。

そう考えるとどうしても伊達メガネをかけるというのは実に愚行であると私には思えてなりません。
わざわざ自ら景色をフィルター越しから見ているようなものですから。
美しいものを見つけたときに外せば良いじゃないか、という意見もあるかと思いますが、ちょっと待ってください。
そもそも万物は全て美しいと私は思います。
どんなものであれ、どんな景色であれ、そこには個性があり、意味があり、物語があります。
だからこそ、この目に映るもの全てを確実に目に焼き付けたいと、私はそう思います。
見慣れた景色でさえも、盛者必衰の断り。その景色もいつかは廃れてしまいます。
それは明日、突然消えてしまうかもしれません。
たとえば会社の同僚が退社してしまい、初めて彼がどれだけ会社を支えていたのか自分にのしかかる仕事量でわかるように。
なくしてしまってからその大切さ、偉大さに気が付くというのは少なくありません。
同じように、真新しさの感じられない景色にさえ、失ってから気が付く美もあるかもしれません。

だからこそ一瞬一瞬を大切にするべきという意味で、伊達メガネは悪しき文化であると言えるでしょう。
まあ、もちろん今まで言ったこと全て冗談ですけど。
さて伊達メガネの冗談を語ったところで今回ご紹介するのは冗談抜きでおすすめできる、伊達メガネの名前の由来ともいわれる伊達政宗に関する商品になります。

『伊達カルパス』です。
米沢生まれの武将伊達正宗をイメージした牛タン入りドライソーセージになります。
『竹と雀』がモチーフとなっている伊達家の家紋は子孫繁栄や一族の栄華を願う吉祥紋とされております。
それがあしらわれたこの商品は、ドイツの由緒あるコンテストで金賞を獲得し実際に栄華を極めており、まさに伊達政宗の名に恥じぬほどに素晴らしいカルパスです。

また傾奇者とも言われた伊達政宗らしく、このカルパスも牛タンが入っているということで珍しく、異端であるともいえます。
しかしその異端こそが伊達政宗の長所であったように、この牛タンもカルパスを上品な味わいにしております。

さらには力強く芳醇な豚肉の味わいは、多くの戦いで勝利を収めた伊達政宗を彷彿とさせます。
もしも現代に伊達政宗がいたとしたら、たいそう気に入っていたこと間違えなしでしょう。
なんなら気に入りすぎて、伊達政宗の支配域における年貢はこの伊達カルパスになりますね。