『おちょこで薬味栽培キット』

この季節の太陽は、真夏のように肌を焼くほどに鬱陶しくはなく、されど冬のようにあまりにも希薄な存在でもありません。
つまり植物が光合成で元気になることが私たち人間でも理解できてしまえるほどに気持ちの良いものであります。
だからこそ麗らかな風に背中を押されながら、私はこの前の休みの日の昼下がりにお散歩をぽいぽいしていました。
平日昼間の住宅街が織りなす静謐な音をBGMにのんびりと歩いていると、不意に私の目の前を七色の球体が横切りました。
それは桜が舞うようにゆらりゆらりと地面へと向かい、やがて着地と同時に弾けると中からは儚さの残滓が出てきました。
いわゆるひとつのシャボン玉ですね。
結果には必ず原因があるわけで、その結果だけを目の当たりにしてしまったら、当然私たちは原因が気になって夜も眠れなくなってしまいます。
だからシャボン玉が私の前を横切り散っていったという『結果』を引き起こした『原因』を探ろうと、シャボン玉が飛んできた方角へと私が目を向けるというのは、運命的なものではなく必然的な行動であると言えるでしょう。
視線の先には、滑り台が一つあるだけの寂しげな公園と、そんな公園の雰囲気だからこそ荒野に咲く一輪の花のように目立つ、華やかな笑みを浮かべた女の子が楽しそうにシャボン玉を吹いていました。
生まれてもすぐに消えてしまう命だとしても、あんなにも女の子を楽しませることができているのですからシャボン玉としても本望でしょう。
儚いものとは得てして美しいものであると、世の悲しい理に浸っていた私ですが、次々と生み出される無数の泡たちの奔流とそれらを透過して見える木々の対比から気が付くことがありました。
シャボン玉は全て真ん丸な球体なのです。
何を今さらと思うかもしれませんが、世の中の物ってそれこそ木々につく葉っぱのように形は似ていても不揃いなものが非常に多いです。
だからこそ大きさは違えど揃って真ん丸なシャボン玉はとても浮いた存在に思えてしまったわけでございます。
直観的に、シャボン玉が球になるのはそれが一番安定する形だからというような気はしますが、詳しい理屈はわかりませんし、どちらにせよ人が息を吹きかけるだけで、形を持たぬ液体がいとも簡単に美しい形に揃ってしまうというのは魔法みたいで不思議ですよね。
世の中には本当に不思議で溢れているなと実感したところで、今回ご紹介するのはシャボン玉との対比となった“植物”に関する商品になります。
おちょこ
このシンプルで可愛らしいおちょこから草が生えている商品。
『おちょこで薬味栽培キット』です。
こちらの商品はお家で簡単に薬味を栽培することができる優れものです。
しかしおちょこで薬味を栽培しようと最初に想った人は天才ですね。
おちょこという和の見た目と、薬味という和の香りと色合いが一つになったことで、それは日本庭園を彷彿とさせるほどの奥ゆかしさを放っております。
しかもそのサイズ感のおかげで仰々しさは感じられず、魅力を凝縮させております。
常に気になってみてしまうほどの存在感はなくとも、ふと目に入ったときに、私たちの心を癒してくれる、そんな都合の良さを感じます。

彩りと独特の風味が食欲をそそる『しそ』。
江戸時代から親しまれている刺激的な味わいの香辛料『唐辛子』。
ピリッとした風味が特長の日本で生まれた葉物野菜『わさび菜』。
さわやかな香りと歯ざわりが特長で栄養も豊富『三つ葉』。
見るだけでなく食べることに関しても、最高のパフォーマンスを発揮する薬味が揃っております。
ぜひ皆さんもお家で薬味、育ててみませんか?